2016年5月11日水曜日

発掘された「いのり」のカタチ展、7月3日(日)まで公開中!

遺跡からはいろいろなものが出土しますね。それが武具だったり、農具だったりするのですが、そのどれもが、その当時の暮らしの在り方を今に伝えてくれます。7月3日(日)まで企画展示室3で公開中の 発掘された「いのり」のカタチ 展は、そんな発掘された史料の中でも特に人々の「いのり」にまつわるものに焦点をあてています!

 
縄文時代といえば、言わずもがな土器づくりが始まった時代ですが、その時代につくられた埋設土器に込められた祈りは多岐にわたっていたようです。

たとえば、大昔の人々は、出産後、胎盤を土器の中に入れて地中に埋めていたらしいのですが、その胎盤入り土器が人に踏まれることにより、子どもが強く丈夫に育つと考えていたらしいそうです。また、幼児を入れて葬ることもあったようなのですが、死者を葬る際に使われる器は、生者のための器と明確に区別され意図的に穴があけられていたのだそうです。そのあけられた穴から魂が大地に還り、再び生を受けることができると考えたようです!(展示の埋設土器は復元されたもので、残念ながらその穴まで復元されてしまったようですが・・)

現代でも家の前に盛り塩をするだとか、縁起の良いとされている昔からの風習が伝わっていますね。農具や武具は技術革新で目覚ましい進化を遂げ、出土するものと現在使用されているものとでは随分趣が違います。一方、祈りの行為というのは効率化を求められるものでもなく、過去の伝統や考え方を色濃く、今に伝えていくものなのだなと感じます。事実、展示にある祈りの道具も現在神社、仏閣等で目にするそれとの関わりを強く感じさせるものが多くありました。祈りのルーツを学ぶことで、今に伝えられる文化風習もより深く見えてくると思います!

いろいろありすぎて語りつくせないのですが、個人的に展示品の中で一番気に入ったのは人面土器です。



この土器の中にふっと息をふきかけ、自らの罪穢れや病気などを閉じ込めて川に流してお祓いをしたそうです。こんなに手軽にできるなら私もぜひ一度お祓いしておきたい!でもこんなに素敵な土器を川に流すのはもったいない!しかめっ面なのでしょうが、ちょっとかわいい表情にも思えます。

縄文時代の埋設土器から、猿田彦神社の歴代猿面までを網羅した充実の発掘された「いのり」のカタチ展!7月3日まで公開していますので是非ご観覧ください!

Posted by たかむら

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